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「箱根駅伝」

正月に箱根駅伝を見た後に、図書館で見かけて借りて読んでみた、ずばりそのまま「箱根駅伝」と言う本。

 

箱根駅伝 (幻冬舎新書)

箱根駅伝 (幻冬舎新書)

  • 作者:生島 淳
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/11/29
  • メディア: 新書
 

 

 

少し前の本なので、昨今の青山学院大学の黄金時代が開花する少し前、2011年に早稲田大学が、渡辺康幸の指導のもと、優勝した頃に書かれた。

 

渡辺康幸氏といえば、私が大学を卒業してすぐ後の1993年〜1996年に箱根で活躍した選手。沿道に応援に行って良く見たっけなあ。

 

www.nikkansports.com

 

 

さてこの箱根駅伝の本。

 

箱根駅伝の内幕について描かれており、非常に興味深かったです。

 

例えば、各区間へのランナーの配置戦略、監督の役割の変化、留学生の必要性、駅伝の成果と大学運営の関係など。

 

特に興味深かったのは、以下2点。

 

<ランナーの配置戦略>


「先行投資型」「後半投資型」「リスク分散型」「経験重視型」と競走馬のタイプのような分類がされてますが、自チームにどんな選手が居て、誰を選び、どう配置し、どうやってレースを運ぶかと言う戦略立案は、監督の力量によって良否が大きく出るところである、と言う部分が非常に興味深いです。当時まだ今ほど強くなってなかく、シード権獲得が目標だった青山学院大学の原監督の戦略についても書かれており、当時からその能力の萌芽はあったんだなと言う印象。

 

<各大学の箱根駅伝への取り組み方>

 

駅伝をきっかけとした大学のイメージアップ・ブレンド力強化と言う意味合いがより高まっていると言うことが書かれています。

 

箱根駅伝で有名であること」と「世間体がいいブランド大学であること」はイコールではありません。

早稲田、明治、青学、中央、あたりは伝統的な大学であり、偏差値も高く、もし選手が駅伝選手として挫折しても、出身大学としてそれなりの評価を受けられ、一般就職もしやすいでしょう。
日大、神奈川、東洋、駒澤、東海、帝京、あたりも知名度はまあまあかな。それ以外は駅伝の時しか聞かないよね、、、と言うイメージです。
※あくまで個人的な見解です。

 

そういった意味合いで、もし自分の子供が大学にスカウトされたとして、早稲田と東洋に同条件で勧誘されたら、親目線では「早稲田を選んで欲しい」と願うことでしょう。

 

ただ各大学とも、在学中の待遇を強化したり(学費援助・寮完備など)、卒業後の道(例えば実業団へのパイプなど)を確保したりして、そういった部分を売りとして駅伝選手の獲得に乗り出しています。

また大学としてのイメージ向上にも力を入れたりしています。キャンパスが便利なところにあるとか、学内設備が良いとか、有名な人がいるとか。

 

この点では青山学院大学の戦略がすごいですね。

駅伝後に選手も監督もテレビに出まくって駅伝の時の裏話で盛り上げてくれるし、原監督はニューズ番組に出まくったり本を出したり。

駅伝強い→テレビも出てイメージアップ→更にいい選手集まると言う良いサイクルがうまく回ってる。

 


長い目で見れば、駅伝をきっかけに生徒数が増え、偏差値も向上し、優秀な生徒を輩出できるようになっていくかもしれない、、そう考えると箱根駅伝もただのスポーツイベントでは終わらない一大イベントであることが伺えます。

 

 


この本を読むと、

大学生の長距離陸上競技にも興味が持てるし、その上で箱根駅伝を観ると、より深く楽しそうな気がします。

来年はより真剣に観てみよう。