先日「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み終えました。
村上春樹の作品を全部読もう作戦の一環です。
哲学的な記述が多く、なかなか読みづらい作品でしたが、なぜかどんどん読み進みたくなってしまうんですよね。
この本の前に読んでいた作品は題材はまだ軽い方だったのですが、なぜかなかなか読み進められずにいるので、村上作品にはなにか特別な何かがあるのかな〜。
(もう一つのほうの読み進められないほうの本はちょっと紹介できません)
この作品、村上作品のなかでも、ファンタジー的要素が無く、リアルなほうの作品。
高校生、大学生、36歳、自分とは何かを問いながら、苦しむつくるの姿には共感を持ちました。
アオ、アカ、クロ、シロ、ハイイロ、ミドリ、色々な色の名前を持つ登場人物が出てくる中、多崎つくるは色を持たない。
結局のところ彼は無色なグラスで、様々な色彩を持った人たちが、その器の中に入ってくるという交わり方をしながら生きてきたんだと思う。
ラストはちょっと中途半端な感じで終わりますが、幸せになってほしいと強く思います。