100年ライフの生き方

100歳までピンピン生きてポックリ死ぬ。キャリアコンサルタント&ファイナンシャルプランナーの資格をベースに社会の役に立てるように生きたいです。

SCMと物流危機について(昨日の続き)

昨日の「BCPが読む経営の論点2019」の話の続き。

 

osagoto.hatenablog.jp

 

解決すべき課題として上がっていたものから、SCMと物流危機について、この本で読んで感じたことをまとめてみました。

 

健康とモビリティの未来については、過去記事でなんどか触れたこともあるので省略。企業の社会的役割、非現金決済についてはまた別なところで。

 

SCMについて

SCMとは何かというと、企業が売るものを、どこから材料を仕入れて、どこで・何を・いつ・どれだけ作り、どこへ運び、そして保管しておくか、をマネジメントすること。簡単にまとめるとこんな感じです。
このマネジメントが杜撰だと、商品が売れ残って廃棄損が増えたり、品切ればかりして顧客を失ったり、やたら製造コストがかかってしまったりと良いことがないです。

ただ、、、企業にとっては血液を送り出す循環器的な位置づけの機能なのに、営業や生産のように直接付加価値を生み出すものではないので、案外軽視されてしまう機能です。

特に最近は、CCC=キャッシュ・コンバージョン・サイクルに悪影響を、つまり資金繰りに悪影響を与えるということで、重要さは増していると思います。

もっと重要視されるべき、というのが個人的な意見です。

日本の企業におけるSCMは、トヨタカンバン方式に代表されるように優れたオペレーションで優位性を持っていたはずですが、その分デジタル技術を活用して進化されることを怠ってきたと、この本では述べられてます。前述のように重要視されていなかったのが出遅れた原因ではないかと思います。「普通にサプライチェーンが繋がっていることが当たり前」ですが、その当たり前が難しいんだけどな〜。

需要は生き物のように変化するので、デジタル化は確かに難しいのですが、そういった難しさにこそデジタル技術でメスを入れるべきという事かと思います。AIように高度化された技術があれば膨大なデータをもとに精度は上がり人間以上の成果を上げることは難しくないでしょう。ただし日本の製造業がサプライチェーンが求める質を実現させるためには時間がかかる。粘り強く、且つある程度割り切って取り組む必要があるでしょう。

物流危機について

物流を担っている人材の大半は40歳台後半以降でしょう。運営のことを考えている人も実際に荷物を運んでいる人もおっさんばっかです。特にドライバーはキツい割には賃金が安いからやりたい若者なんているはずありません。これからどんどん高齢化し人間が減っていきます。

一方、ECの使用量増加などで輸送量は増え続けてます。運ぶ量が多い→よりキツくなる→人は定着しない、悪循環です。

八方塞がりのようですが、輸送に関してはまだまだ非効率な部分が多くあります。

個人向け運送だと、「ラスト1マイル」と呼ばれる個配の非効率さが槍玉に上がるでしょう。無駄が起きないように日時指定の徹底、コンビニや宅配便営業所での引き取りなどをもっと進めてもいいと思うし、配送スピードによって運賃を変えるのもアイディアではないかと思ってます。急ぎじゃない荷物も実際は多いハズ。

あと個人的思ってるのは、物流全体で運ぶパッケージのサイズを揃える動きをしてもいいんじゃないかという事。その昔の海上輸送はバラバラの大きさの荷物を人海戦術で船に積むことで成り立ってたのを、海上輸送用のコンテナが発明されたことで世界が変わったと聞いたことがあります。統一された規格のコンテナを、クレーンで船積みする、コンテナ専用船舶は大量のコンテナを効率よく輸送します。効率もメチャクチャ良くなってます。

それと同じことが陸上のトラック輸送でもできるのではないかということ。パレットと呼ばれるものに荷物を積んでますがそのパレット自体も何サイズもあるし、積まれる一つ一つの荷物の大きさはバラバラ。この辺りのサイズを規格化すると荷扱いも輸送効率も改善されるはず・・・という考えです。日本という国が物流の大事さを強く感じてくれれば、こういった動きもできるんじゃないでしょうか?
さらには自動運転がトラックでも実用化され、たとえば高速道路だけでも運転から開放されればドライバーの待遇も改善され、魅力は増すのではないかと思います。

 

全体を見える化する

SCMについても、物流についても、デジタル技術で「全体を見えるようにする」ことで効率化できるはずだとこの本では述べられてます。これには完全同意です。

SCM的には、全体が見えないから在庫を多くもっておかなきゃという心理が働きますし、見えればマネジメントもしやすいはずですからね。

物流としては、どこでどれだけトラックが余っているかが見えれば、より輸送効率も上がるはずだと思ってます。「荷物の相乗り」てことです。

 

個人的には。この分野に仕事の関係があり、以前から同じ考えをもってました。ただ世の中そう簡単にはいかず成果に繋がってないのですが、答えはやはりそこにあるよな!と確信してます。

 

・・・ということでちょっと長くなりましたが、「BCPが読む経営の論点2019」のレビューでした。あー疲れた。

 

 

BCGが読む 経営の論点2019

BCGが読む 経営の論点2019