- 作者: マーセル・セロー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/07
- メディア: ハードカバー
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近未来のシベリアの厳しい環境が舞台に、一人の女性が辿る運命の物語。
旅を続ける主人公は様々な出来事に遭遇。
過酷な運命に翻弄され、肉体的に消耗していく姿を見ると「過酷」という印象しかありません。
また、真白な氷原に、黒い粒が一つ、そんな表紙絵も、物語全体に横たわっている「孤独」な雰囲気を醸し出しています。
第四部の6章の、イーベンからメイクピースへの告白する部分の以下部分が心に残ってます。
「時はどこに行ってしまったんだろうと考える事はないか?急に年を取ったと感じることがあるだろう。歳月はどんどん過ぎ去っていく。憐みをかけることもなく」
この部分で、イーベン自分を重ね合わせてしまいました。
物語はフィクションであすが、あり得ない話ではないなと思いつつ、内容の重みと文章の素晴らしさに感動しました。
ちなみに村上春樹訳です。