今日読んだこの記事。
記事引用
で、実際に結婚してみて名字が変わると、パスポート、通帳、カードと、とにかく色んな物の名前を変えていきますよね。みなさんその不便さをおっしゃるんですけれども、私はそれよりも、そのひとつひとつでの手続きのたびに、世の中から「菊間千乃」という名前が消えていく瞬間を味わったことが大きいです。
自分がなくなっちゃうっていうことのものすごい喪失感とか、気持ちが落ちていく感じは、やってみないと私はわからなかったです。
名刺以外に菊間千乃という名前はもうなくなったことの怖さ。公的書類にも法律上にもどこにもないんですよね。
私の場合は、結婚して嫁様に名前を変えてもらったので、自分の名前は生まれた時のままなわけですが、もし「明日からお前はこの名前だ!」と違う名前を与えられた場合のことを考えると、「いやそれはおれではない!」と拒否してしまうかもしれません。
世の中のほとんどの男性は「夫婦別姓の問題」を自分事とは思っていないと思うので、女性の方はどんどん主張していいと思います。
とはえいえ結婚したら同じ苗字がいいという人もいると思いますので、
法律としては「選択の自由」がいいんだと思います。
冒頭の菊間さんの「喪失感」というワードから思い出したのは、村上春樹の短編「品川猿」。
品川猿という言葉を喋る日本猿が、気に入った女性の「名前」を盗んでしまう。
実際には、品川猿はネームプレートなどその女性の名前が書かれているモノを盗むわけですが、盗まれた女性は徐々に自分の名前をおも出せなくなっていってしまう、、、というストーリーです。
名前を盗む猿は、夫婦同姓を強制する法律の「メタファー」で、
それによって女性は自分の名前を喪失してしまうのを問題視したとか、、、。
深読みしすぎですかね笑。
ちなみに品川猿が収められている「東京奇譚集」はオススメです。
映画化された「ハナレイ・ベイ」も収められてます。