100年ライフの生き方

100歳までピンピン生きてポックリ死ぬ。キャリアコンサルタント&ファイナンシャルプランナーの資格をベースに社会の役に立てるように生きたいです。

「風の果て」

こちらの本を読んで、一度読んでみたいと思っていた藤沢周平氏の「風の果て」。

 

 

江戸時代が舞台とした一人の若者の生涯を描いた作品。

剣術道場で出会った仲間と関わり合いながら、自分の住む藩の中で出世していきます。

 

読み終わっての感想

・江戸時代といえども、財政がどうだとか、会議がどうだとか、収入がどうだとか、借金が減らないとか、そういう種類の悩みがあったんだなということ。財政難を改善するために田畑を開拓することが、主人公の隼太のライフワークのようなものになります。

なんか江戸時代は、そう言った悩みのない時代だったのかなと勝手に思い込んでましたが、いつの世も変わりませんね。

 

・隼太は、出世して藩の家老「桑山又左衛門」になるわけですが、家老になると商人などから賄賂をたくさん贈られてきます。その受け取りをどうするかで、知り合いの商人から「賄賂を受け取らない執政(政治家)は頼み甲斐がないと思われる」「商人は利で結ばれた相手でないとなかなか信用しない」という趣旨の話をされます。言われてみるとそんなもんかもなあという説得力があり、我ながら少しびっくりしました。

ただし隼太は「私腹」を肥やすような真似はせず、「仲間」を増やし自分の思う理想を政治に反映させようとしており、こう言った姿勢は今の政治家の皆さんにも真似してほしいものです。今にも通ずる教訓のようなものが散りばめられていて、物語というより、実用書的な印象を抱いてしまいました。

 

・前述の「開拓」事業に反対する勢力の妨害や、家老になってからの派閥争いに際して、緊迫した戦いのシーンがあるのですが、この辺りの描写が「半沢直樹」っぽかったです。(というが、半沢直樹が風の果てっぽいのか)

 

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こんな感じで、ビジネスパーソンにおすすめ!と言っていた訳がよくわかりました。

藤沢周平の他の作品も読んでみるかなあ。