まだ「心臓を貫かれて」読んでます。
- 作者: マイケルギルモア,Mikal Gilmore,村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1996/10
- メディア: 単行本
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いきなり余談ですが。この本、ボリュームが半端なく多いのです。読んでて中身も重さに潰されそうになりながらも、なんとか読み進めてる感じです。村上春樹さんには敬服します。こんなに量が多く、かつ暗く重い内容の作品をよくぞ翻訳する気になったことか。
この本を読み始めてからあまり良いことが起きてません。
もしかして読んだ人を不幸にする力をもってしまった本なのかも、と思ってしまうぐらい、登場人部であるギルモア家の人々は不幸な日々を送ってます。自業自得もあれば、血族の「血」によるものもあったりします。
著者のマイケルギルモア氏の両親「フランクギルモア」と「ベッシーブラウン」はお互い傷つけ合いながらも離婚という選択肢を選びませんでした。それは客観的にみれば、非常に不幸な関係にみえるし、特にベッシーブラウンは酷いDVを受けてました。
でも、彼らは投げ出さなかった。
理由として彼女、ベッシーブラウンはこう述べてます。
「一体どこに行けばよかったのんですか? 〈中略〉私があの人と別れなかったのは、それ以外は選びようがなかったのです」
そしてこうも続けます。
「私は早いうちに心に決めたんです。人はいいところもあるし、悪いところもある。しようがないじゃないかって」
そして夫、フランクギルモアも、こう述べてます。
「俺ももう年だし、また他の女を見つけるのがホネだ。それにお前は料理がうまい」
このパートナーはダメだ、
この会社じゃダメだ、
そんな思いを抱きながらも、別れられない、辞められないのは、彼らと同じような思いからなのかなと考えたりしました。
嫌なものは嫌、ダメなものはダメ、
変える行動を起こさなければいけない。
そう思いつつも出来ない人間の弱さでしょうか。
なんとなく徒然と思ったりしました。
さあ、物語は終盤に入っていきます。
より暗くなりそうですが、頑張って読んでいきたいと思います。