「質問力」をつけたいなと思って図書館で何気に手に取ったこちらの本。
池上さんの本は、軽妙な語り口で、変わりやすく物事の本質を伝えてくれる、そんな本なので結構好きなんですが、この本を多くの学びがありました。
先日のセレンディピティの話もこの本の受け売りです。
NHKでの「左遷」を「越境」と、池上さんはこの本で書いてます。
越境ってなんやねん、という話なんですが、自分の専門分野・自分の住んでいる地域・自分のテリトリーから別のところへ進出するようなイメージですかね。
池上さんは、その越境を繰り返し、記者→キャスター→フリーのジャーナリストと職種が変わっていきます。越境で彼の殻が拡大したという表現がいいのかもしれません。
私もその意味では、ずいぶん越境してきたし、今まさに越境をしようとしています。
会社人として、営業・本社スタッフという文系畑から、工場現場という理系への進出は、今にして思うと越境だったと思います。
この越境は、やはり難しいものでしたが、乗り越える過程で多くのものを得ることができましたし、それが今や今後に活きていくものと信じています。
この本の中に、「守られているものは弱い」という章があります。
本雑誌・新聞・放送業界・銀行・航空会社、そういった業界は規制に守られて、発展してきましたが、時代の変化についていけずに危機的な状況になりました(これからなります)。
守られているものの何が弱いのかというと、越境を経験していないことが原因の一つだろうと思います。
自分の枠から外に出て、難局を経験し乗り越えることが、成長につながり、その人の強くなる。
そんなことを考えさせてくれる本でした。