雑文を集めたというだけあって色んな文書があります。文章の題材ごとに分けられてますが、その中の「『アンダーグラウンド』を巡って」の項にある、「東京の地下のブラックマジック」の文章を読んで色々と考えさせられました。
有能なエリートが何故オーム真理教にハマったのか。この辺りの理由を村上春樹さんは加害者へのインタビューをしっかりと行い上手くまとめてくれてます。
社会に適合したくない若者の受け皿が、オーム真理教のような組織しかなかった。
フィクションとしての小説を読んだことがなく、虚構と事実をうまく判別できなかった。
今の時代も、出口の無い閉塞感が溢れてます。
またマスコミは、事実と憶測と虚構をごちゃ混ぜにした報道をしています。
そんな世界に生きていると、逃げ出したくなるし、誤った虚構への道を選んでしまうかもしれません。
危険な時代、、、なのかもしれません。
もう一つ、被害者はごく普通の人々であったということ。オーム真理教は支配階級への攻撃をしたつもりが、ごく一般的な人々を無差別に殺してしまっていた。
被害者は自分だったかもしれない。
休みの谷間の月曜日、いつも通りすし詰め状態の日比谷線にのって通勤電車に乗っていただけ。
余談ですが、私の後輩は事件があった電車の、後続の電車に乗っていたらしいです。
まさに明日は我が身。
「アンダーグラウンド」は、今年中に読まなくてはと思ってます。読んだらまた感想を書きたいと思います。