現状維持バイアス
まず最初に現状維持バイアスという言葉について。
人間は合理的な生き物ではないので、行動によって得る報酬と損失のうち、損失のほうを重視してしまいます。
変化によって予想されるリスクは、メリットよりも過大に評価され、現状維持を選択してしまうということです。
この点を踏まえて題名の2つの選挙について考えてみました。
「大阪市を4つの特別区に再編をする」案件
「大阪市を4つの特別区に再編をする」案件が、住民投票の結果、否決となり、現状のままが維持されることとなりました。(関係ないですけど「大阪都構想」っていうワードがどうもしっくりこないのは、私だけかな?)
不勉強でよく分かりませんが、
「大阪府に長年住んで言わば地元出身の、橋下氏や、松井市長が政治家生命をかけて変えようとした案件」であることを考慮すると、大阪の未来を見据えるとメリットの方が大きい取り組みなんだと思ってます。(というか様々な既得権益との決別というテーマだったのかな)
吉村知事も、今回の結果を受けてこんなことを言ってますから、政治家を辞める(もしくは大阪に見切りをつける)可能性もあるんじゃないかと思ってます。
「僕自身はやり切ったという思い。大阪の将来のことを考えて投票してくださった市民の皆さんに本当に感謝だなと。ある意味すがすがしい思いで話してました」
上記の日経の記事に書かれている北部で賛成票が多く・南部で反対票が多いのは、
北部はどちらかというと転勤族の市民が多く「そのうち居なくなってしまうのである程度無責任に判断できてしまう」傾向があり、
南部は土着の市民が多く「変化の影響をずっと受け続けるので慎重に判断せざるをえない」ためなんだと思います。
※あくまでの個人の見解ですが、私の知り合いも転勤で行くとたいてい北部を選んで済んでいる気がします。
いずれにしても変化によるリスク・不安を払拭しきれなかったのが、今回敗因と言えると思いますが、おそらく非常に難しいことなんでしょうね。
また日本人は変化を恐れると言われてますが、アメリカ人だって弱いです。
アメリカ大統領選挙
間近に迫ったアメリの大統領選挙ですが、トランプ再選で終わってしまうと個人的には予想しています。
そう思う理由は、政策云々というより、変化が起きづらい条件が揃っているからです。
対立候補のバイデン氏が、トランプを上回る力強さや、国民を惹きつけるカリスマがあるかというと、不足感を感じますし、「アメリカをより良い国にしてくれそう」という印象はハッキリ言って感じられませんし、何よりトランプから変化させるリスクの方を国民は強く感じることでしょう。
その行動で、色々と物議を醸しだし、世界中で総スカンを喰らってる大統領ですが、アメリカ国民を守るという「パフォーマンス」や、そのパワーを背景に力強い政策を打ち出しているように「見せる」能力は一流で、「強いアメリカ」のシンボルとしては紛いなりにも最適な人物と言えるでしょう。
※あくまで個人の感想です。
また新型コロナの環境下、変化によるリスクはより過大に感じされることでしょう。
こう言った条件が揃ってしまっており、
「現状維持を選択する事が、リスクを最小化する」→トランプ再選となると、私は考えます。
未来に向けて最善の選択を合理的に判断できる人間ばかりなら結果は変わったかも(変わるかも)しれませんが、新型コロナで弱っている人類にとって変化はいつも以上にリスクになるということかと思います。