昨日の続き
osagoto.hatenablog.jp物流の未来 - 100年ライフの生き方
Society5.0という言葉があります。
簡単にいうと、情報化技術で人と人、人とモノ、モノとモノが繋がり、知識・情報・モノが共有され、そこにAIや自動化技術・ロボットといった要素が加わることで、様々な社会課題をが解決されていく、、、という話。
車業界で言うと「CASE」と言うワードでよく語られます。
C:Connected コネクト
A:Autonomous 自動運転
S:Shared & Service シェア&サービス
E:Electric 電気自動車
こういった背景でトヨタ自動車は危機感を抱いているというのが、講演の冒頭の話。
まずトヨタが危機として捉えているのは「自動車は殆どの時間留まっている」と言う事実。
普通の車だと5%の時間しか動いておらず、タクシーでさえも30%。
24時間のうち5%だと72分。他の資料を当たると4.2%と言う数字もあり、その場合は60分。まあ確かにそんな計算になってもおかしくないかなと言う感じ。毎日通勤で60分乗ると言うスタイルだったり、週末だけで6−7時間乗ると考えると妥当な数字だと思います。
そうはいっても車がないと不便だし、移動にお金がかかるし、と言うのが今の現実。
車を所有する場合
年間コストをざっと計算すると、
車両代:200万円÷8.5年(平均買換頻度)=23万円
保険料:5万円もあれば大丈夫でしょう。
ガソリン代:月1万円と見て12万円。
自動車税:2000ccクラスの車と見て3.6万円。
駐車場代:月5千円とみて6万円。
車検費用:2年に1回20万円と見て年10万円。
ということで保有コストは年間約60万円ってところです。
車を所有しない場合
毎日タクシーで60分乗るとおそらく8000円ぐらい(Uberで片道30分ぐらいの道のりを料金検索して、それを2倍にした)かかりますので、これを毎日繰り返すと月額24万円、年間288万円の費用がかかります。1年で車買える。
当然公共交通機関があればもっと安いですが、大都市以外だと車以外の選択肢がない、もしくは車の方が圧倒的に時間が短く済む場合が多いので公共交通機関での資産は除外。
週末ドライバーだとして、毎週末にレンタカーを借りるとすると、車のランクにもよりますが、安くても月額6万円(ガソリン代込)ぐらいは掛かるでしょう。年間で72万円。
以上比較すると、要は、
車を持っておくと生活は圧倒的に便利になるし、
コスト的にも「所有する<利用する」フェアなレベルとなるので、
稼働率が低かろうが車を持っておくという選択肢は妥当なものとなります。
ただ、ここに「CASE」によって
カーシェア・電気自動車・自動運転技術という要素が加わってくると、話が変わります。
無人の自動車が勝手に走行し、自分の家の前まで迎えに来てくれて、職場や用事がある場所まで運んでくれる。車はその用事が済んだら、また別な場所に勝手に移動していく。
車を所有していなくても、車を所有している場合と同等の便利さを享受できる。しかも無人で動くがゆえに料金もタクシーより圧倒的に安いでしょう。コストは「所有する>利用する」になるはずです。
こういった世界が実現されると、車は売れなくなります。
稼働率5%なので、極端な計算だと今の20分の1しか必要なくなります。
しかも電気自動車になると、車の部品の使用点数も減りますし(3分の2)、参入障壁もぐっと下がります。(TESLAが良い例です)
ここまで考えると、ガソリン車を製造し売ってきたトヨタ自動車及び関連メーカーにとっては、未来は無い危機的な状況を言えると思います。
もちろんトヨタ以外も含め自動車産業全体の問題です。再編はもっと加速度的に進むでしょう。
そこでトヨタが構想しているは、、、続きます。