ちょっと前に触りだけ読んだんですが、読み終わったので感想文です。
ストーリーは、幼少期〜大学生〜一般企業への就職〜料理人への転身のパートが前段。
格闘技にのめり込む、理詰めで考え成果に繋げるという彼の特性が現れている。
そして後段は、料理人としての彼の経歴の物語。
料理学校→日本のフランス料理店での修行→フランスでの修行(労働許可をとるための奮戦の部分は読んでて辛くなった)→北海道にあるミッシェルブラスの店での修行→自分の店を持つ→三ツ星獲得。この期間がたった11年、自分の店を持ってから三ツ星獲得までが1年5ヶ月という破格の短さ。
自分の店を持つ時に三ツ星レストランのシェフになるという明確な目標を持ち、それを最短で達成させるために、すべての時間を料理に捧げてきたと書かれています。
一体何がその原動力になったんだろうと読みながら考えていたんですが、まず一つは「負けん気」。
幼少期は喧嘩ばかりしていた、大学生の時は格闘技にのめり込み、以降体の鍛錬は欠かさない。今の彼も格闘家のようなデカい体をしています。同門の料理人に「フランス人ではないお前に本当のフランス料理は生み出せない」と言われ、喧嘩別れし、のちにフランス料理というカテゴリーと決別する。2023年現在のHAJIMEのミシュランでの料理カテゴリーは「イノベーティブ」になってます。
https://guide.michelin.com/jp/ja/osaka-region/osaka/restaurant/hajime
もう一つは自分で「とことん考える」こと。父親からそういう教育を受けてきたのがその原体験なのではと感じました。
昼間に学んだことを、夜にノートにまとめ直す、そして考える。
どうすればいい動きをできるかを考える、どういう内装のレストランにすればいいかトコトン考える。
彼のInstagramを覗くと分かるのですが、色々なことを常に考えています。
https://instagram.com/hajimeyoneda?igshid=YmMyMTA2M2Y=
そんな物語を読んで、自分を振り返ってみると、ずっと雇われ人として働いてきて会社なり、店なりを自分で回す苦しさは理解できていないなと。自分ごと化で、仕事に向き合ってきたが、それも限定的。
当然、雇われ人には雇われ人の苦労があり、組織の役に立ってきたという自負もあります。
けして引け目を感じている訳ではないのですが、やはり大きなことをやり遂げたいという願望もあったりします。
米田肇氏は現在50歳、私は53歳とほぼ同年代ということもあり、彼からいい刺激を受けつつ、より実りのある人生を考えていきたいと思います。
読み終わって一番心に残っているのは、
一刻の早く彼の料理を食べにいかなくてはということ。
ただ高いね〜〜〜〜〜。
コースメニュー:55,000えん、二人で 110,000円。
間違いなく過去最高の料理体験になると思うのですが、、、。
何かの記念日に行ければなと思ってます。